移り変わっていく「経験する自分」
先日、ある方から「気分が優れずに、どうしても落ち込んでしまうのです」という相談がありました。
そこで私は、「もう1人の自分、すこし違うところから見る自分を作りなさい」と言いました。
そして、そのもう1人の目を通して「おまえは今落ち込んでるんだな」ということだけを感じるよう伝えたわけです。
その時、その方はこういうことも言っていました。
「こうありたい自分というのがあるのです。でも、なかなかなれないから落ち込むのです」と。
つまり、これは「経験する自分」と「物語る自分」との乖離に苦しんでいるのです。
「経験する自分」というのは意識ですから、やはりどんどん変わっていきます。
それに対して「物語る自分」は記憶です。
だから2つの自分がかけ離れて苦しんでしまうのです。
しかし、これは別々でいいのです。
無理やり「こうありたい自分」や「こうあればならない自分」になろうとするから、自分との乖離に落ち込んで苦しんでしまうわけです。