秩父十三番補陀所
慈眼寺の山門を西武秩父駅の方に進みますと、秩父十三番補陀所(ほだしょ)という碑があります。
これは昭和5年の総開帳を記念して建てたものです。
「『札』と『補陀』にはどういう違いがあるんですか?」という質問をよくいただきます。
補陀所というのは「観音様がいるところ」という意味で、観音様がいる山を「プータラク」と言います。
その音が漢字に訳されて「補陀落(ほだらく)」となりました。
それで「札」という字と同時に「補陀」を使っているわけです。
「補陀落山」という山号の付いた札所のお寺は、百観音の中にもいくつもあります。
中国には本当に補陀落山がありまして、そこは中国の観音信仰にとっての聖地になっております。
秩父札所連合会でも私の先々代の会長の時に参拝をしています。
そこは島になっていて対岸から船が出ないと渡れないのですが、1回目には船が出ませんでした。
2回目にようやく渡ることができ、お参りをすることができたのです。
日本の中国地方にも中国三十三ヶ所というものがありまして、ここにもまた大きなお寺がたくさんあります。
そこが中国の観音霊場や札所と姉妹提携をして、お互いに観音信仰を高めていこうという活動をしております。
観音様というのは慈悲でございますので、人々の苦しみを取り除いて楽しみを与える存在です。
新型コロナウイルスで心が動揺してしまうことがあるでしょう。
そんな時には、ぜひ「南無観世音菩薩(なむかんぜおんぼさつ)」と手を合わせていただいて、心を静めてください。
観音様のお力があなたに届くと信じております。