呼ばれたら「ハイ」と返事をする
名前を呼ばれたら、「ハイ!」と返事をする。
こんな簡単なことが、出来ない人が多い。実は、意識しないとできないのだ。
勤め先では、おそらくできるだろう。特に、上司と部下という関係ではできるだろう。
では、部下に名前を呼ばれたときの上司はどうだろう?
家庭ではどうだろうか?親子では?夫婦では?
「お母さん」
「なあーに」と応えてないだろうか?
名前を呼ばれたら、「ハイ」と返事をするとただ意識するだけでできるのだが、意識しない。しかもすぐ忘れてしまう。
しかも、「ハーイ」ではなく、短く「ハイ」がいい。
秩父こども園には、あまりルールがない。いわゆるしつけということは、ほとんどしない。だが、「ハイ」の返事には、少しだけこだわる。
「ハーイ」ではなく、「ハイ」と返事が出来るようになるには、体に染みこませてしまう必要がある。意識しなくてもできるようになるまで、繰り返す必要がある。
2歳から少しずつ取り組み始め、3歳で、繰り返し繰り返し返事をする。
「うめ組さん!」とクラス全体に呼びかける。すると
「ハーイ」と、ほとんどの子が返事する。それを
「『ハーイ』ではなくて、『ハイ』だよ。」と、何度も伝え、呼びかける。
いつの間にか、できるようになっている。
「ハイ」という短い返事は、とても気持ちいい。
心構えが出来る、
集中する。
やる気が出る。
そんなことに気づいた。
相手に向けて、しっかり体を向けてハイ!と返事をする。これは、受け入れる合図だ。それだけでなく、自分自身に向かっても言っている。
子どもたちの日々の取り組みを見て気がついた。
「ハイ」は、究極のアファーメーションだと。
アファーメーションは、自分に語りかける肯定的な断言。自己を受け入れる究極の言葉が「ハイ!」だ。
呼ばれたら「ハイ」と返事をするというのは、尊敬する森信三先生が提唱するしつけの三原則の一つだ。
しつけの三原則が身についてしまえば、人格たる基礎が出来てしまうので、後は、しつけは何もしなくていいとまで言っている。
2歳までに身につけてしまえば、後は心配ない。しつけに遅すぎることと言うことはない。できれば9歳までがいいという。
しつけは「つ」まで、と言われる。
1つ、2つ、3つ・・・9つの「つ」だ。
2歳までにできなくても、9歳までだったらしっかり人格の基礎としてのしつけが身につく。
思春期になると返事をしなくなる。それはそれでいい。でも、体に染みついたことは忘れない。
和が娘も難しい年代を生きているが、朝おはようと挨拶はする。
小さい頃毎日やっていた。
「ハイ!」「おはようございます」って。
大人になって、人格者と言われる人物は、これができている。
どんなに素晴らしい実績を上げても、こういったしつけの三原則のような些細なことが出来ていないと、人物だとは言われない。
人格の基礎を形成する一つが、呼ばれたら「ハイ」と返事をすることだ。