秩父札所十三番住職 南泉和尚

南泉和尚のブログ

日常の中で悟りをひらく10の徳目

2022年8月23日

実は、私は『日常の中で悟りをひらく10の徳目』という本を出しております。

そして、その中に「手放す勇気を持つ」という項目があります。

 

私はお寺の住職なのですけれども、同時に学校法人の経営をしておりました。

平成10年に株式会社慈眼を設立して、今年で25年目となりますが、本当にいろいろなことを経験して、ようやく経営ということが分かってきたと感じています。

 

そこで気が付いたのが、手放せていないということなのです。

一番手放さなくてはいけないのは何かというと、「我」というものです。

「我」があるから、手放せずにいつまでもしがみついてしまうわけです。

 

「俺は過去にこんなことをやった」「私はこんな経験をした」、「だから、私は正しい」という考え方や経験を手放さないとダメなのです。

「放てば手に満てり」という道元さんの言葉があります。

 

自分の考えも、身も心も全部解き放してしまうという勇気を持って、後はお任せしてしまいましょう。

しかし、これにはやはり勇気が必要になります。

 

もう1つ大事な勇気が、弱い自分を認めて「負けてもいい」と思える勇気です。

ところが人間、特に男性は「負けたくない症候群」というか「負けたくない遺伝子」がすごく強いのです。

ですから、それを手放しましょう。

 

勝ち負けにこだわっていると、どうしても勝ちたい自分が前面に出て苦しむわけです。

良い悪いではない、勝ち負けではない領域があるのです。

そこに一歩入るためには「我」にしがみつくことをやめて、手放さないといけません。

 

「俺がすごいんだ」と「私はダメなんだ」というのは同じものですから、どちらも手放しましょう。

この手放す勇気を持つためには、バランスが必要なのです。

体を整える、呼吸を整えることによって心が整います。

 

ですから、お拝というのは手放すきっかけづくりの1つだ感じています。

「こうしたい、ああしたい。こうしてほしい、こうなってほしい。こうなるといいな」という全部を投げ捨てて、ただひたすらに「南無観世音菩薩」と名前を呼ぶのです。

 

「我」を持ったまま観音様の名前を呼んでも決して届きません。

こちら側が勇気を持って手放して、その結果など気にしなくていいのです。

 

仏教には本当にいろいろな入り口がありまして、その奥はとても深いものです。

『日常の中で悟りをひらく10の徳目』、それから『ほとけ様に教わった 毎日をハッピーにする90の方法』という本には、そのさわりのようなことが書いてありますので、ぜひ手に取ってお読みください。

 

それから『和尚さんにきいてみよう!大切なこころのはなし』、こちらは子どもさん向けに書いてありますが、大人にとっても分かりやすく書いてありますので、こちらもおすすめします。

 

これからも、これらの本に書かれたキーワードを元に、私が感じたことをお話ししていきます。

次回もぜひお楽しみください!