新型コロナウイルス陽性になって考えたこと
私もついに新型コロナウイルス陽性になってしまいました。
ところが、これが予想外の大きな変化を私にもたらしてくれたのです。
私の場合、熱は出たのですけれども、症状そのものは重くはありませんでした。
熱が少し出て、それがいったん下がっては、また上がって落ち着いていくという流れでございました。
私にとって大事だったのは、症状そのものではなく、10日間の自宅療養があったことです。
お寺、さらにかつては幼稚園も自分でやっていましたから、365日ほぼ休みなしで朝からずっと仕事をしているという毎日を、昭和63年ころからずっとやってきたわけです。
もちろん連続して10日間休んだことなどありませんから、これがいろいろな気付きを与えてくれたのです。
私がコロナにかかって気付いたことの1つが時間です。
自宅待機でなるべく部屋にいなくてはいけませんから、最初は「普段できない仕事をやろうかな」と思っていました。
しかし、私は「何もしない時間」を持つことに力を置いたのです。
その結果、心と体と呼吸を整えることが、休むということにものすごくつながるのだなということを深く感じました。
この時代に生きている私たちは、もっと休む時間を持った方がいいと思います。
「何もしない」というと、ただボーッと何もしないことのように思えるのですが、そうではありません。
脳が本当に休んでいるかどうかが大事なのです。
しかもその10日間、私は奇跡的にお酒を飲まずに過ごしました。
これに一番驚いたのは、ほかでもない、私の妻です(笑)。
しかし、それによって脳が休まっていくことを感じることができたのです。
脳には「デフォルトモードネットワーク」というものがあって、ただのんびりボーッとしているように思っていても、脳は何かしらものを考えてしまうそうです。
そのために、休んでいても脳の疲れは全然取れないということが起こるわけです。
今、私たちは脳が疲れているのです。
疲労感に襲われた時には、坐禅や瞑想をするとスッキリします。
この感覚を持って、「何もしない」ということをやってみてください。
私にとって、脳の疲れが取れていく様子を体感することができた10日間は大きなものでした。
そして、脳を休ませることが仕事の充実にもつながっていくということを再確認することができました。
体だけではなく、脳の疲れも取らなくてはいけません。
呼吸や体を整えること、つまりバランスを取っていくことで、脳も体も休まっていくのです。
そういった時間を持つことがとても大切だなと感じた10日間の自宅療養でした。
皆さん、脳を休ませる時間を持ちましょう。