【仏教超入門】僧って何?
お釈迦様は初め、5人のお弟子さんに法を説いていました。
そのお弟子さんの1人が道を歩いていたら、あまりにも歩いている姿が尊かったので「あなたの先生は誰ですか?」と聞きに来た人がいたのです。
それで「私の師匠は仏陀です」と答えたところ、「ぜひお会いしたい」ということになりました。
すると、その人が500人を連れてきてお釈迦様の弟子になったのです。
その中に、お釈迦様の従兄弟でお釈迦様のそばにずっとついていたアーナンダ(阿難)という方がいます。
この方はどうも美男子だったようで、女性のファンもいたそうです。
当時、お釈迦様のお弟子さんには出家した男性しかいませんでした。
しかし、阿難には女性のファンがたくさんいたので、女性だけれども「出家したい。お釈迦様の弟子になりたい」という人が出てきたわけです。
最初、お釈迦様はそれを許さなかったのですけれども、「どうしても」と阿難がお願いしたので、女性のお坊さんも認めるようになりました。
出家した男性のことを「比丘(びく)」、出家した女性のことを「比丘尼(びくに)」と言います。
さらに、出家していないけれどもお釈迦様を信奉する男性を「優婆塞(うばそく)、女性を「優婆夷(うばい)」と言います。
そして、比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷、これを合わせて「四衆(ししゅ)」と言います。
それぞれが集団をつくり、合わさったものが仏教教団になっていくわけです。
最初はお弟子さんが5人しかいませんでしたから、単純な決まりがあればよかったのです。
それが一気に500人とは1,000人になったので、きちんとした決まりが必要になってきます。
そこで「戒」と「律」が生まれます。
キリスト教にもユダヤ教にもイスラム教にも戒律があるのですけれども、「戒」と「律」は別のものなのです。
「戒」というのは、「私が仏様を帰依します」というように、あくまでも「私」のものです。
しかし「律」というのは集団の決まり事、つまり「法律」です。
どちらも集団を守るためには必要なものです。
そして、出家した人たちの戒も律もたくさんあったわけです。
では、優婆塞や優婆夷はどういうことを守っていけばいいのでしょうか?
ある日、お釈迦様の従兄弟がお釈迦様に「出家していない仏教信者さんの最も基本になることは何でしょう?何を信じればいいんでしょうか?」と尋ねたら、「仏法僧の三宝に帰依しなさい」と言われました。
つまり、出家せずに一般の生活を送っている仏教信者としての基本は三宝だということです。
私たち仏教徒として最も大切にしなければならないのは、「南無帰依仏(なむきえぶつ)、南無帰依法(なむきえほう)、南無帰依僧(なむきえそう)」ということになります。
これが仏教徒のとしての基本なのです。
四衆、つまり比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷の4つの集まりを「僧」と言います。
お坊さんだけが僧ではなく、仏教を信じている集団が僧なのです。
お坊さんがいて、檀信徒の男性や女性がいる、自分たちもその一員なのだということをご理解いただけるとありがたいなと感じています。