辰・巳年の守り本尊
今回は、常楽寺にお祀りされている仏様についてお話しします。
秩父地方では、常楽寺というと辰・巳年の守り本尊だということで、辰年生まれや巳年生まれの人がよくお参りに来られます。
なぜ常楽寺は辰・巳年生まれの守り本尊なのかというと、普賢様をお祀りしているからです。
「普く賢い」菩薩様が普賢菩薩です。
なぜ、方角や干支と仏様が関連付けられているのかというと、これには諸説ありまして定かではないのですが、すでに江戸時代にはそのような形で信仰を集めていたようです。
それぞれの方角や干支を守るということで八尊仏が定められましたが、そのうちの、辰・巳の方角と年の守り本尊が普賢菩薩なのです。
普賢菩薩の御真言は「おん さんまや さとばん」といいますが、いろいろと調べてみると、女性の救済ということを特に謳われている仏様なのです。
あまり今まで伝えていなかったのですけれども、普賢様は女性の救済を説いているわけです。
それから、お釈迦様をお祀りするときには、お釈迦様があって、その下に脇侍(わきじ)、側に仕える仏様として文殊様と普賢様がいらっしゃいます。
つまり、お釈迦様の側にいつもいらっしゃる菩薩様でもあります。
ちなみに、常楽寺にも文殊様、普賢様、そしてお釈迦様がいらっしゃいます。
常楽寺の御堂は観音堂、つまり観音様が中心の御堂ですからお釈迦様は中心ではないのですが、仏教の1つの世界として釈迦三尊像もお祀りしています。
この常楽寺には江戸時代の版木が残っていて、当時より辰年、巳年生まれの人の守り本尊として、またその縁日として4月20日にお祭りをしております。
ここ数年コロナの影響で少し縮小しておりますけれども、4月20日は普賢様の縁日です。
その時期は芝桜が咲き始める頃ですので、観光においでいただいた方にも、ぜひ常楽寺にお参りしていただきたいと存じます。