元三大師と達磨さん
常楽寺の御本尊様の隣にお祀りしているのが、元三大師です。
良源、号は慈恵大師と言いますが、「観音様の化身」と言われた方で、厄除け元三大師ということでございます。
正月の3日に亡くなられたということで、元日三日、これで元三ということなのです。
元三大師、つまり良源さんは、天台宗を今のような姿形にした、本当に功労のあった方です、「中興の祖」とも言われております。
お正月ですけれども、3日の日に元三大師をお祀りしているお寺ではご縁日を開いています。
「今年1年が、平穏で無事でありますように」ということで、多くの方がお祈りしますが、その時にお分けしているのが達磨なのです。
常楽寺にも、達磨を求める方がたくさんおいでになります。
去年、今年と、コロナの影響で規模を縮小して行いました。
来年の元三大師も、状況によっては規模を縮小してやる予定でおりますが、郵送でのご祈願の申し込みはお受けします。
御祈願をして、達磨を付けてお届けするということを考えております。
もともとこの方は、自らが鬼になって疫病を退散したと言われております。
今の新型コロナウイルスがますます沈静化して、アフターコロナの時代を平穏に過ごせるようにお祈りしていただきたく、令和4年1月3日に御祈願をいたします。
御祈願をして、御札と達磨をお送りしますので、ぜひお申し込みいただければありがたいなと思います。
「川崎の方に行ったら達磨をお祀りしているお寺がありました。達磨さんというのはお悟りを開いたのですか?」という質問がYouTubeに寄せられていました。
達磨というのは、あの形が有名ですけれども、あれは実在の方でございます。
インドのお坊さんで、ボーディダルマ、菩提達磨とも言いますが、菩提達磨大和尚は禅宗の基礎なのです。
禅宗という宗派は基本的にはないのですけれども、達磨さんから始まって、坐禅を専らにする5つの集まりができました。
そのうちの3つが日本に伝わって、臨済宗と曹洞宗、そして黄檗宗になったわけです。
インドから中国に渡って、禅というものを中心にした、お釈迦様の教えを伝えた方が達磨さんです。
壁に向かって9年座禅をしていた、「面壁九年(めんぺきくねん)」と言うのですけれども、それで足の具合が悪くなったので、あの達磨さんの形になったのです。
達磨さんは壁に向かって坐禅をするというのが基本になっておりますから、曹洞宗では壁に向かって坐禅をするわけです。
達磨さんは禅宗の祖、そして元三大師は天台宗の中興の祖というお話でした。