般若心経の薩婆訶ってなに?│ストレスフルな毎日に取り入れたい「そわか」

般若心経の薩婆訶(そわか)

般若心経の最後の一句に、「菩提薩婆訶(ぼじそわか)」とありますが、「薩婆訶(そわか)」という言葉が意味するものとは、どのようなものなのでしょうか。

今回は、あなたの日常生活にも簡単に取り入れられる「そわか」について、お話していきます。取り入れることで、あなたの心がグンとラクになりますよ。

こんな人におすすめです

  • 最近うまくいかないな」と思っている方
  • 仕事や勉強でのプレッシャーが大きく毎日がつらい方
  • 人間関係でのトラブルで心が疲れている方

ぜひ参考にしてください。

般若心経とはなに?

般若心経を唱えたお釈迦様

般若心経とは、大乗仏教の「空(くう)」や「般若(=悟りという意味)」といった思想を説く仏教経典です。海外でも数多く翻訳されており、”世界一有名なお経”とも言われています。

仏教経典とは、お釈迦さまが説いた教えを記録した書物のことで、正式名称は「般若波羅蜜多心経(はんにゃはらみったしんぎょう)と呼びます。

空(くう)の思想

「すべての存在は因縁によって生じたものであり、実体のないものである」という考え方です。さまざまな解釈があるかと思いますが、簡単にお伝えすると以下のようなニュアンスになります。

般若心経には、すべての存在が「からっぽ」であり「無」であるという思想が込められている。そのため、目の前にある苦しみや迷いも、実は存在しない。過度に恐れることはないのだ。

このように、般若心経は「物事や思想にとらわれて苦しむことのないよう、心を解放すること」について説いています。現代のストレスフルな毎日に、般若心経の教えを取り入れることで、毎日をハッピーに生きていくことができるでしょう。

蘇婆訶(そわか)の解釈

幸せの象徴の四つ葉のクローバー

蘇婆訶(そわか)とは、サンスクリット語で「幸あれ」という意味があります。さまざまな解釈がありますが、『そ・わ・かの法則』著者の小林正観さんによれば、「そ」は掃除、「わ」は笑い、「か」は感謝、なのだそうです。面白いですね。

私は、人生が生きづらいなと感じている人こそ、「そわか」を積極的に日常に取り入れ、活かしていくべきだと考えます。そうすることで、人生をもっとラクに生きることができるでしょう。

ここからは「そわか」3つの要素を一緒に見ていきましょう。

そわかの『そ』は、掃除

掃除は、物理的に物をきれいにするだけでなく、心の中もきれいにすることができます。心の中がきれいに整っていないと、ストレスや不安感などのマイナスの感情が生じて、健康に悪影響を及ぼすことがあります。

そこで、定期的に心の中を整理し、不要なものを取り除くことが大切です。また、物理的な掃除も同様に、健康に良い効果があります。汚れを取り除くことで、風通しがよくなり、健康的な生活を送ることができます。

部屋を掃除してるようで、きれいにしているのは「部屋」ではなくて「自分」なんですよね。

掃除で悟りを得たチューラパンタカ

これはお釈迦様が生きていた時の話です。知的障害があり、物事を覚えるのが苦手で自分の名前すらも覚えられず、聞いたことはすぐに忘れてしまう・・・周利槃特(しゅりはんどく)という人がいました。

虐げられていた「周利槃特」に対し、お釈迦様は

「自分が愚かであることに気づいている人は、智慧(ちえ)ある人である。愚かであるのに”自分はかしこい”と思っている人こそ、本当の愚か者だ。」

と言い、1本のほうきを渡して、掃除をしながら唱えるよう教えました。

周利槃特は友人たちの助けを借り、ひたすら掃除をしながら唱え続けた結果、その言葉とお釈迦様の教えが重なって問いが熟し、最終的には悟りを得ることができました。

「悟りは、多くのことを学ばなければいけないというのではない。ほんの短い教えであっても、その言葉の本当の意味を理解し、道を求めていくならば、悟りが開ける。」

仏教の教えはどんな人にも広く開かれているのです。

そわかの『わ』は、笑い

笑いは、ストレスを軽減する効果があります。笑うことで心身ともにリラックスし、心地よい気持ちを味わうことができますし、免疫力の向上にもつながります。

また、笑いは人とのコミュニケーションを深めることにもつながります。笑いがある場所には、いつも明るい雰囲気が漂い、人々が幸せな気持ちに包まれるのです。

あなたは最近、笑えていますか?大笑いでなくても良いのです。日常の中でニコニコ笑うことで、まわりはもちろん、あなた自身にとっても良い影響があります。

→慈眼寺が運営する「ウルトラJチャンネル」では、ユーモアたっぷりな動画をたくさん配信していますので、よかったら覗いてみてください。きっと心が少し軽くなるはずです。

そわかの『か』は、感謝

感謝の気持ちを持つことは、幸せな人生を送るために欠かせないものです。日々の生活で当たり前のように受け取っているものに対して、感謝の気持ちを忘れずにいることが大切です。

例えば、食事や水道などの生活に必要なものは、当たり前のように受け取っていることがあります。しかし、それらのものを提供してくれている人々に対して、感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。感謝の気持ちを持つことで、心が豊かになり、幸福感を感じることができます。

お釈迦様の解いた最も古い経典の一節に、「やがて死すべきものの、いま生命あるはありがたし・・・」というフレーズがあります。ここに出てくる「有難い」はサンキューと同意ではありません。

・どんな状況であってもありがたい。
・苦しいことでもありがたい。
・叱られても(怒られても)ありがたい。

自分にとって不都合なことは、仏様がカタチを変えてあなたの前に現れてくれたんだと考えると、心がグッと楽になります。

まとめ:般若心境のそわかを日常生活に取り入れ、毎日をハッピーに生きよう

毎日をハッピーに

”仏教を日常生活に活かす”と聞くと、「わたしには難しいのではないか?」と思う方もいるかもしれません。しかし、蘇婆訶(そわか)の掃除・笑顔・感謝であれば、簡単に仏教を日常生活に活かすことができるのではないでしょうか。

  • 掃除、笑い、感謝は小さな子どもからお年寄りまで誰でもできる
  • 一人でもできるから、時や場所を選ばない
  • お金がかからない

「最近うまくいかないなぁ」と思ったら、「そ・わ・か」のどれかが足りないのかもしれません。あなたの日常生活に積極的に取り入れることで、人生をハッピーに過ごすことができます。

これでいいのだ大丈夫だソワカ

毎日をハッピーに!

南泉和尚