仏教で「我慢」とは?
皆さんも小さな頃から、いろいろな場面で「我慢しなさい」と言われてきたはずです。
ところが仏教では、これはあまり良い言葉ではありません。
「我慢」は「我を慢ずる」と書きますが、「俺が一番すごいんだ」という態度のことを言うわけです。
つまり、自慢と我慢はほぼ同じ意味になってしまうのです。
自慢は自分の中だけにしまっておきましょう。
我を慢じて、ほかの人をさげすむようなことをしてはいけません。
仏教では、耐え忍ぶことが我慢ではないのです。
耐え忍んで、今の状況をありのままに受け止めることを、仏教では「忍辱(にんにく)」と言います。
私の祖父である柴原弘道さんは、私の父親に「慢じてはいけないよ」とよく言っていたそうです。
その中には我慢や自慢、傲慢も含まれているわけです。
考えてみると、「我慢」以外で「慢」を使った良い言葉はあまり思いつきません。
やはり「慢」という文字にはそういう意味があったわけです。
ですから、仏教では我慢してはいけないのです。