眼茶って何?
今回は少し趣を変えまして、「眼茶」についてお話しします。
「眼茶」というのは、メグスリノキという木を使ったお茶です。
私もこの名前を初めて聞いた時は、「えっ、それって本当の名前なんですか?」と思いましたが、そういう面白い名前の木があるのです。
ある時、営林署の方が「ご住職、メグスリノキっていうのがあるのを知ってますか?実は今日原木を持ってきました」と来られました。
そして「これをどうぞ、このお寺に植えてください」と言われたのが、メグスリノキとの出会いだったわけです。
植えてみたところ、どんどん大きくなっていきました。
そして、これが飲めることを知ったのです。
昔は木こりさんなど、山の中で仕事をしている人たちには眼の良い人が多かったそうです。
それはなぜかというと、このメグスリノキを煎じて飲んでいたり、眼を洗っていたりしていたからなのです。
そういうことで、江戸時代以前から、このメグスリノキには眼にいろいろな効能があることが、民間の伝承で伝えられてきたわけです。
では、どうして「眼茶」という名前にしたのかというと、慈眼寺は眼のお寺として親しまれていますから、「メグスリノキをもっと多くの人に飲みやすくしよう、それには名前が必要だね」っていうことになって考えたわけです。
実は最初は「eye tea」という名前だったのです。
「今はITの時代だ。眼のお茶でeye tea、これでいこう!」と言っていたのですが、すぐに却下されてしまいました(笑)。
それで「眼茶」になったわけですが、この名前、良いと思いませんか?
薬師様の御利益とメグスリノキの御利益、両方いただいて、健やかな身体を保っていただきたいなと思います。
眼はとても大切です。
眼を大事にする、眼を慈しむ寺、慈眼寺でございました。