【仏教超入門】仏教ってなんなんだろう?

本当に随分前ですけれども、インドに行った時に「ははあ」と思ったことがありました。

日本のお坊さんは仏様に向かってお経を上げることがほとんどです。

ところが、インドのブッダガヤというお釈迦様が悟りを開いた場所に行くと、たくさんの国のお坊さんがお参りに来ていたのですけれども、日本とは違って仏様を後にして法を説いているのです。

そういう違いがあるのだなと感じたことを思い出しました

 

以前からやりたいな、また自分なりにまとめたいなと感じていたことが「仏教超入門」です。

今回から、これを少しずつ始めていきます。

平川彰という人が書いた『仏教入門』という本があるのですが、これを入門だと思って読むと大きく裏切られる、とても難しい内容なのです。

これは、仏教のことが簡単に書いてあるわけではないのです。

「仏教入門」と言いつつ、本当に難しいのです。

 

私が皆さんにお伝えしたいのは、そういう専門的な知識等ではありません。

「御朱印に興味あります」「今日はご先祖様のお墓参りに来ました」「観光でお寺に来ました」というような方々に向かって、「そもそも仏教って何なのだろう」ということを、半歩踏み込んで考えていただければありがたいなと思っているのです。

 

知識があることによって見える世界は変わってきますから、仏教というものの見方を半歩進めていいただければいいなと考えています。

ですから、「仏教超入門〜半歩前へ」みたいな感じでやりたいなと思っています。

 

では。日本人というのは仏教徒なのでしょうか?

数年前から「そもそも仏教徒って何だろう?」と、私なりに考えています。

神社様に属している氏子でもあり、お寺の檀家でもあり、また門徒でもあるという人もたくさんいます。

別にそれはそれでいいのです。

 

では、お寺に所属している檀信徒というのは、何をもってその人は仏教徒ということになるのでしょうか?

「あなたは仏教徒ですか?」と聞かれた時に、お寺に属していてお墓がここにあれば「はい、私は仏教徒です」と答えると思います。

そこで、お釈迦様は仏教徒ということに対してどういうことを言っているのかが気になっていろいろと調べてみたのです。

 

そうすると、やはりお経というのはすごいもので、そこに書いてあったのです。

お釈迦様のいとこは、お釈迦様が生まれた国の王様になったのです。

本当はお釈迦様がその王国の王となるべき人だったのですが、出家したためにお釈迦様のいとこが王様になって、その国を治めました。

 

そして王様になったいとこが、お釈迦様のところに来て「お釈迦様、仏教徒というのは一体どういうことなんでしょうか?」と質問したのです。

正確には「如何なるか、これ優婆塞(うばそく)」と言ったのです。

優婆塞(うばそく)というのは、出家していない男性の仏教信者のことを言います。

出家していない女性の仏教信者のことを優婆夷(うばい)と言います。

 

王様がお釈迦様に「優婆塞(うばそく)というのは、何をもって優婆塞(うばそく)と言うんでしょうか?」と質問した時に、お釈迦様はこう答えました。

「仏法僧の三宝に帰依していること、これが優婆塞(うばそく)である」。

つまり、仏教徒としての基本は「仏法僧の三宝を信じている人」ということになるわけです。

 

『道心の巻』の中には、「亡くなる前には『南無帰依仏(なむきえぶつ)、南無帰依法(なむきえほう)、南無帰依僧(なむきえそう)』と言え。亡くなった後も『南無帰依仏(なむきえぶつ)、南無帰依法(なむきえほう)、南無帰依僧(なむきえそう)』と言え。そして四十九日が過ぎて、また新しいお母さんのもとに宿って生まれた時も『南無帰依仏(なむきえぶつ)、南無帰依法(なむきえほう)、南無帰依僧(なむきえそう)』と言え」と道元さんが言ったというふうに書いてあります。

この「南無帰依仏(なむきえぶつ)、南無帰依法(なむきえほう)、南無帰依僧(なむきえそう)」ということを受け止めて、「はい、そのことを信じます」と言う、これが仏教徒なのだということをお釈迦様が言っていました。

 

仏教が始まったのはインドですけれども、インドから南の方に移った仏教、これを上座部仏教、テーラワーダと言います。

また北の方に移って、日本をはじめいろいろな所に伝わっていったものを大乗仏教と言います。

これらは大きく修行法も考え方も違うし、読んでいるお経も違うのですけれども、全ての仏教徒に共通しているのが、「南無帰依仏(なむきえぶつ)、南無帰依法(なむきえほう)、南無帰依僧(なむきえそう)」なのです。

これが仏教徒です。

「私は仏様を拠りどころとします」「私は法を拠りどころとします」「私は僧を拠りどころとします」という戒、「自分がこうしますよ」という戒めを授かって、それを受けた方が仏教徒になる、そういうことになります。

 

さて、そこで「仏教超入門 仏教徒とはいかに」に関しては、まず「仏法僧の三宝に帰依するという人が仏教徒だ」ということが分かりました。

次は、「じゃあ、仏法僧って何だ?」という話になります。

「仏」「法」「僧」、この三つの宝というのは一体何なのでしょうか?

 

これが、私が皆さんにお伝えする「仏教超入門〜半歩前へ」というシリーズでございます。

また次回、お楽しみください。

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