おい主人公、しっかり目を覚ませ!
これは中国の禅宗のお坊さんのお話なのですが、その方は毎朝、自分に向かって「おい主人公、しっかり目を覚ませ!」と言っていたそうです。
これはつまり、そのお坊さんは自分の中にもう1人の自分を自覚していたということになります。
要するに、自分の中のもう1人の自分に向かって「しっかり目を覚ませ!」と言っていたわけです。
普通は、主人公というのは映画や舞台のメインキャストのことを言うのですが、ここではそういうことではありません。
自分自身を指して「主人公」と呼んでいるわけです。
それは自分自身の中にある「物語る自己」のことかもしれないし、「経験する自己」のことかもしれません。
その主人公に向かって「おい、ぼやぼやしていると時間がどんどん過ぎ去って、本当の人生の意味が分からないまま終わっちゃうぞ。だから主人公、目を覚ませ!」と、言っているわけです。
私もそのお話を読んで「なるほど」と思い、毎朝、顔を洗って歯を磨き、私の中の主人公に向かって「おはようございます!」とごあいさつをし、しっかりと目を覚ましています。