お坊さんのドレスコード
お経を読む動画をいくつかアップしていますけれども、ある時、絡子(らくす)を身に着けていたら、カメラマンさんに「それは御袈裟じゃないんですか?」と聞かれました。
曹洞宗の場合でしたら、黒い衣に木蘭の御袈裟というのがどこに行っても大丈夫な正装となります。
絡子というのはそれとは違って、いわゆるノーネクタイみたいな形で略式なのです。
その上から御袈裟を掛けることはありません。
一番格式の高い場所に行く時には、皆さんも燕尾服やタキシードを着ると思います。
そこのドレスコードに合わせないと入ることができません。
ところがお坊さんは便利なのです。
大体、御袈裟を掛けて食事はしませんから、燕尾服やタキシードのドレスコードがあっても絡子で行くことができます。
時々、結婚式場で「あ、坊さんだ。縁起が悪い」という人がいますけれども、勘違いしないでください、お坊さんは縁起が良いのです。
お葬式でも結婚式でも、知事や大統領に会うのでも、皆さんに会うのでも、全部絡子で大丈夫なのです。
ただ私は、お経をあげる時には仏教徒として、曹洞宗のお坊さんとして、ドレスコードの高いものを身に着けたいなと思います。
作務衣というものがありますが、例えば大本山などへ行くと作務衣では大きな法要をする場所には入れません。
こういうお寺では、作務衣やTシャツ、短パンでも入れますが、本山クラスになってくるとそういう服装では入れません。
日常の生活の中では大きな影響はありませんが、このようにさまざまな決まりがあるのです。