秩父札所十三番住職 南泉和尚

南泉和尚のブログ

廣見寺の烏枢沙摩(うすさま)明王

2022年6月6日

秩父市の下宮地に廣見寺というお寺さんがあります。

この廣見寺の二世、東雄朔方(とうゆうさくほう)大和尚が慈眼寺をつくったということで、慈眼寺の本寺、つまり親寺に当たります。

秩父では非常に大きなお寺で、私たちと同じような末寺がほかにもたくさんあるわけです。

 

廣見寺は境内が非常にきれいに整っておりまして、正面には大きな御本堂がございます。

そして、坂東と西国の三十三カ所それぞれの御本尊様の写しがお祀りされている、坂東西国堂というお堂もございます。

また、ここではさまざまなお参りの工夫をしているので、今回はそういったところをご紹介いたします。

 

廣見寺に来られたら、ぜひ烏枢沙摩(うすさま)堂にお参りしてください。

烏枢沙摩明王というのは、慈眼寺にもお祀りされていますが、私たち人間には浄と不浄というものがあると考えられています。

そして、不浄を清らかにしてみんなが清らかであるというようなことをお祀りしているのが烏枢沙摩なのです。

 

烏枢沙摩で有名なのは、伊豆の明徳寺、それから高岡の瑞龍寺です。

高岡の瑞龍寺の烏枢沙摩も立派ですけれども、廣見寺の烏枢沙摩がほかと違うのは、何といってもお賽銭箱です。

これが何とトイレの形になっているのです。

 

これを考えたのはご住職だと思うのですけれども、最高ではありませんか。

実は、烏枢沙摩というのは東司(とうす)の守護なのです。

東司というのは、禅宗でトイレのことです。

ですから、慈眼寺の烏枢沙摩も外のトイレの横にあります。

 

トイレというのは、人間が老廃物を出すための場所です。

しかし、そこを清らかにしておかなければいけないということで、烏枢沙摩が守るわけです。

 

禅宗の修行ではトイレ掃除がとても大事とされ、修行僧のリーダーがトイレ掃除をします。

修行を始めたばかりの人ではなく、リーダーが率先してトイレをきれいにし、清らかな場所にするわけです。

そういうことから、廣見寺のお賽銭箱はトイレの形になっているのです。

 

廣見寺の烏枢沙摩堂にお参りの際は、合掌をしてお賽銭を入れたら、銅鑼を3回鳴らし、最後にもう一度合掌してください。